古事記 青空文庫で読む 上の巻vol.3 スサノヲの命(頭の整理用)
以下参考
https://www.aozora.gr.jp/cards/001518/card51732.html
●穀物の種
スサノヲの命は、かようにして天の世界から逐おわれて、下界げかいへ下くだつておいでになり、
まず食物をオホゲツ姫の神にお求めになりました
オホゲツ姫が鼻や口また尻しりから色々の御馳走を出して色々お料理をしてさし上げました。
この時にスサノヲの命はそのしわざをのぞいて見て穢きたないことをして食べさせるとお思いになつて、
そのオホゲツ姫の神を殺してしまいました
殺された神の身體に色々の物ができました。
頭あたまに蠶かいこができ、
二つの目に稻種いねだねができ、
二つの耳にアワができ、
鼻にアズキができ、
股またの間あいだにムギができ、
尻にマメが出來ました。
カムムスビの命が、これをお取りになつて種となさいました
●八俣やまたの大蛇
スサノヲの命は、高天の原系統では暴風の神であり、亂暴な神とされているが、
出雲系統では、反對に、功績のある神とされ、農業開發の神とされている。
これは次の大國主の神の説話と共に、出雲系統の神話である。――
かくてスサノヲの命は逐い拂われて出雲の國の肥ひの河上、トリカミという所にお下りになりました。
この國の神のオホヤマツミの神の子でアシナヅチといい、
妻の名はテナヅチ、
娘の名はクシナダ姫といいます
コシの八俣やまたの大蛇
その目めは丹波酸漿たんばほおずきのように眞赤まつかで、
身體一つに
頭が八つ、
尾が八つあります。
またその身體からだには蘿こけだの檜ひのき・杉の類が生え、
その長さは谷たに八やつ峰みね八やつをわたつて、
その腹を見ればいつも血ちが垂れて爛ただれております
その大蛇の中の尾をお割きになる時に劒の刃がすこし毀かけました。
これは怪しいとお思いになつて劒の先で割いて御覽になりましたら、鋭い大刀がありました。
この大刀をお取りになつて不思議のものだとお思いになつて天照らす大神に獻上なさいました。
これが草薙の劒でございます。
かくしてスサノヲの命は、
宮を造るべき處を出雲の國でお求めになりました。
そうしてスガの處ところにおいでになつて仰せられるには、
「わたしは此處ここに來て心もちが清々すがすがしい」と仰せになつて、
其處そこに宮殿をお造りになりました。
そこでかのアシナヅチ・テナヅチの神をお呼よびになつて、
「あなたはわたしの宮の長となれ」と仰せになり、
名をイナダの宮主みやぬしスガノヤツミミの神とおつけになりました
●系譜
クシナダ姫と婚姻してお生みになつた神樣は、
ヤシマジヌミの神です。
またオホヤマツミの神の女のカムオホチ姫と結婚をして生んだ子は、
オホトシの神、
次にウカノミタマです。
兄のヤシマジヌミの神はオホヤマツミの神の女の木この花散はなちる姫と結婚して生んだ子は、
フハノモヂクヌスヌの神です。
この神がオカミの神の女のヒカハ姫と結婚して生んだ子が
フカブチノミヅヤレハナの神です。
この神がアメノツドヘチネの神と結婚して生んだ子が
オミヅヌの神です。
この神がフノヅノの神の女のフテミミの神と結婚して生んだ子が
アメノフユギヌの神です。
この神がサシクニオホの神の女のサシクニワカ姫と結婚して生んだ子が
大國主おおくにぬしの神です。
この大國主の神はまたの名をオホアナムチの神ともアシハラシコヲの神ともヤチホコの神ともウツシクニダマの神とも申します。
合わせてお名前が五つありました